「変塗(かわりぬり)の宝庫」と呼ばれ、
数多くの漆塗り技法が
受け継がれている新潟漆器。
中でも平成15年に国の伝統的工芸品の
指定を受けた5技法を紹介します。
塗立(ぬりたて)とも呼ばれ、
砥ぎ・艶上げ・胴摺・磨きの
工程を行わずに上塗で仕上げる技法。
主に漆に植物性油を
混ぜた朱合漆を使い、
ふっくらとした仕上がりが特徴。
石肌のザラザラした表情を炭粉を
用いて表現した技法。
傷が付きにくいのが特徴で、
底面やお盆などによく用いられる。
石目塗に蒔絵を施したものを「萬代蒔絵」と呼ぶ。
麻紐を束ねたタンポで
漆を叩き塗り型置きした後、
数色の漆を重ね、
錫粉を撒き、
木地呂漆を塗った後に
平らに研ぎ出して模様を出し、
摺漆・胴摺・磨きを
繰り返し仕上げる技法。
青森の津軽塗とよく似た技法。
工程は錦塗とほぼ同じで、
タンポを回転させ絞漆を型置する技法。
波間に漂う海藻を
散りばめた模様が特徴。
江戸中期に弥彦の渡辺縫之守が考案。
竹に見立てた新潟漆器を
代表する塗り技法。
漆に砥粉を混ぜた錆で竹の節を成形し、
真菰粉で煤けた表情を作る。
元は江戸の刀の鞘塗りが始まりで、
明治に入り新潟に伝わる。